炎上ブログが本質的議論を破壊する。長谷川豊氏の人工透析批判&医療費問題

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長谷川豊氏の人工透析批判、社会保険制度批判、病院批判。
過激な言葉で、煽っていくスタイルですが、どうなの?
この炎上ブログによって世論に問いかける手法、どうなの?
何だろう。

長谷川豊氏の主張をしっかり読んでください

長谷川豊氏の指摘しているとおり、確かに、現状の医療費は大変な増加傾向です。
下記が厚生労働省が公表している医療費の動向です。


41兆円です。

こちらは財務省の医療費資料です。

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上記が財務省の資料からの抜粋です。
公費負担約16兆円が予算として、盛り込まれていることがよくわかります。
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歳出の社会保障の中に盛り込まれている訳です。
すなわち、

医療費増加=公費負担増加=歳出増加

となるってことです。

または、

医療費増加=保険料増額or自己負担増額
そのために、医療費抑制しよう。社会保険制度改革しよう。ジェネリック医薬品推進しよう。
など、ありとあらゆる対策がとられているわけです。

長谷川豊氏がホントに言いたかったことは、
医療費が無限に増やせるわけじゃない。
社会保険制度がいつか崩壊するぞということ。

医療費が増えれば増えるほど、予算の中の社会保障が増加します。
国債を発行して将来世代につけを回すという財務省レトリックにしたくないが・・・。
財務省のレトリックについては、
上念司氏著

「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」をお勧めします。

話を戻しますが、
この負の連鎖を利用した病院経営モデルが存在するということ。
社会保険制度を食い物にしている医師、病院が存在し本来必要ではない人にも
サービスを提供しているということ。

社会保険制度を前提とした儲けの構造が日本に蔓延っている。

この現状を打破しないと湯水の如く金が吸い込まれて行ってしまう。
手遅れになる前に、早急に議論をして対策を講じる必要があるということ。

そう、長谷川豊氏の主張は日本の医療に対して一石を投じているのだ。

ただ、発言の仕方が最悪だ。
長谷川豊氏のやり方かもしれないが、最悪だ。

炎上ブログが本質的議論を台無しにしてしまう

長谷川豊氏の発言はあまりにも一方的な批判だ。
人工透析を批判すればいいのではない。
すべての医療行為に対して、公正に判断して議論すべきことだ。

特に、長谷川豊氏が日本の医療制度に憂いを持ち行動に移したのであれば尚更。
こういう、一方的な炎上ブログが本質的な議論を根絶やしにしてしまう。

今後

  • 「人工透析は問題だ。改善が必要だ」

って発言をすれば、すぐに

  • 「長谷川豊氏と同じだ。人工透析批判者だ」
  • 「人工透析患者は殺せって思っている人と同類だ」
  • 「人の命は尊いものだってことがわからないのか!」

という、意見で抹殺されてしまう。
そして、医療費という巨大な問題を見て見ないふりをすることになる。

見てみないふり。
会社でも政治でも学校でも、すべてに共通する日本人の欠点だ。

  • 「上司が変な方針を出したけど、批判すると火の粉が降ってくるから黙認しよう」
  • 「なんか今度、変な商品を発売するらしいけど、○○さんの顔を立てておこう」
  • 「査定に響くから、○○さんの意見にはYESだけ言っておこう」

そう、日本人は難しい問題に対してみんなで議論するのが嫌い。

だからこそ、重要な問題では

  • 「みんなで考えよう」
  • 「医療費問題を議論しよう」

という言論空間が必要だ。
それを、焦土化してしまうのが、炎上ブログだ。

長谷川豊氏には、言論人として一方的な批判ではなく、
みんなで考えようという提案をしてほしかった。

医療費問題は命の線引きをするシビアな問題

医療費の負担は、非常にデリケートな問題だ。
例えば、高額の薬。

オプジーボなどの新薬問題。
1年間治療に使った場合、年間3,500万円かかる。
もし、このオプジーボを利用した場合、自己負担額はいくらか?

答え:65万円。

そう、差額の3,435万円が医療費負担。
そして、1年間の新薬代なので、2年、3年使うこともある。
あくまで一人ですよ、一人。
もし、この新薬を使いたい患者が、1万人いたら?
3,400万円×10,000人=3,400億円。

これが高額療養費制度の現状。

じゃあ、高額療養費制度をどうしたらいいでしょうか?
非常に難しい問題でしょ。
対策として

  1. 年齢制限を用いて使える人を制限する。
  2. 全額自己負担にする。
  3. 自己負担の割合を増やす。
  4. 今の制度のまま、破綻するまで続ける。

すべてに完璧な制度なんて存在しない。
4.今の制度のまま破たんするまで続ける を選択するのが一番政治家としては楽だろう。

しかし、現在の若者世代が老後を迎えたとき、保険制度自体が崩壊している。
それでいいのだろうか?

年齢制限を用いるにしたって、75歳なのか80歳なのか議論が分かれるだろう。
自己負担の割合を増やすと言っても、何割にするかで議論になる。
全額自己負担なら、そもそも保険制度自体が無用の長物になってしまうのではないか。

そう、医療問題というのは非常にデリケートであり、難しい問題だ。
一朝一夕で解決する問題じゃない。
いや、解決は永遠にしない。
常に、今の制度や医療の現状を把握し、多くの議論を重ねて作り上げていくものだ。

だからこそ、本質的な議論が必要なのだ。

議論をしても、国民全員が納得する制度は不可能だが、
大多数の国民が理解できる制度設計を目指して取り組むべき課題だ。

本質的な議論をできないような空気を作り出す、
炎上ブログの自己満足批判によって

医療費問題が議論されなくなってしまうのが、最悪だ。

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